m1-h 任意後見人が職務を開始するのは,被後見人の判断能力が低下した後になります。
 そのため,本人自らが,自分が選んだ任意後見人の事務処理が,不正がなく適切に行われているか否かをチェックすることができません。そこで,裁判所が公平中立な第三者(通常は,専門職の方)を監督人として選任して,後見業務の監督をさせることにしたのです。
 後見人は,あくまでも本人のために本人の財産を安全に管理するための制度ですので,本人保護の観点から手続を厳格なものとしたといえます。

 任意後見監督人になると,任意後見人から,その事務処理の状況について報告を受けて,監督人の目で適正に業務が行われているかどうかをチェックしたうえで,家庭裁判所に報告します。
 状況によっては,裁判所から指摘されたことを任意後見人に伝えて,業務内容を改善する等の指示をして監督することになります。
 このようにして,後見監督人の背後には家庭裁判所がいて,監督人を通じて,任意後見人の業務を監督するという形になります。裁判所と後見監督人の二重のチェックにより,任意後見人の業務を適切に監督することになります。